Piece of ~ <vol.6>

女性としての「~のかけら」を徒然なるままに・・・。

さて、やっと一つの場所に落ち着けるようになり
転勤族人生が一段落したことを機に、私は社会復帰を目指しました。
とは言っても、子供が学校に行っている間、パートに出ようと思った程度でしたが・・・
幸いにして、転居しないと言うようになった途端、どこでも採用されるようになりました。
税理士事務所の会計業務というのは、一般事務とは全く違うものです。なので、(私の場合、たまたまそうだっただけですが)手に職があることが良い方に作用したのだと思います。

転勤族の夫は、住む場所が変わっても仕事は変わらないので、社内でキャリアアップしていきますが、それに帯同する転妻の生活環境は、いちいちリセットされるので、キャリアを積める場所など、はなからありません。だとすれば、転妻こそ、手に職をつけるべきかなと思います。どこの会社に勤めるかではなく、何の業務をするのか。環境を選べないのが転妻の悲哀ですが、キャリアを積むタイミングでないならば、せめてスキルを磨けばいい。憂いても変わらないのだから、その時々に適したことの中から選ぶしかない・・・。

しばらくぶりに書く履歴書。サイズは、B5からA4に。
1人1台の携帯電話、ノートPC。
資料は、紙から電子データへ。送付は、FAXからメール添付へ。
転妻専業主婦をしている間に、ビジネス環境は激変していました。
税務会計のスキルを発揮する以前に、激変したビジネス環境に対応するのに四苦八苦することになります。

簿記で言うなら、仕訳はわかっても、その仕訳を打ち込む会計ソフトを扱えないと仕事にならないという感じでしょうか
自分より10歳も20歳も年下の社員は「これも知らないの?」と言わんばかりの呆れ顔・・・
いえいえ、「言わんばかり」ではなく、しっかり「言われました」ね。
知らぬ間に、会計ソフトはものすごい進化を遂げていて、PCを扱うことができるなら、仕訳がわからなくても試算表が作れてしまうほどになっていました。

確かに、仕事復帰した時は、「子供が少し大きくなったから私も外に出たいな。そうだ、家庭の都合に合わせてパートすれば、キャリアアップできてお金も稼げて、一石二鳥」という軽い気持ちではありました。

でも・・・・・

”ただ入力するだけで、ソフトが自動的に数字を処理して、どこかの欄に勝手に飛んでいく。
PCが扱えれば会計の知識も経験も要らない。こんな時代に私の経験なんて意味があるのだろうか”

数字を動かす高揚感はなくなってしまい、「仕事をすること=社会復帰=自己実現」の図式は崩れ、自分の経験がもはや時代遅れであることを知りました。そして、デジタルなビジネス環境に振り回され、戸惑いは増幅されるばかり。

私は、自分がその気になって社会に出さえすれば、家庭の外でも力を発揮できると思っていました。
うぬぼれていたわけではなく、ただ単純にそう考えていたのです。転妻であること、日本中回ってきたことも、頑張ってきたことの証しだと思っていたくらいです。けれど、ブランク明けの自分は、すぐさま時代に通用するものではなかったと、思い知ることになります。

浦島太郎は竜宮城で遊んで暮らしていました。
でも、私は遊んでいたわけではありません。
家族のために頑張ってきました。
なのに、なぜ?

時代の変化のせいにして、年齢のせいにして、転勤のせいにして、
文句を言いながら、憤りながら、幾度か事務所を変え、

私が「仕事すること」を理解できるまでには、何年もかかりました。